ドジョウの蒲焼


  先日久しぶりJR北陸線に乗った。帰りのバス代230円に100円ばかり小銭が足りないないで金沢に着いた。千円札もない、あるのはそれ以上の札である。駅で「すし」でも買ってそのお釣でと思ったが運悪く百番街の食品売り場は19:00で店が閉まるようだ。そうや、バス停近くに「どじょう屋」がある、あそこでどじょうの蒲焼を買ってお釣をバス代にあてようと言うことにした(江戸時代にはしばしば「どぜう」と書いたと広辞苑に載っていた)。

 私の古里では「どじょう」を食べることはまず無かったと言うより皆無かも。ここ金沢では明治の初めごろから「どじょうの蒲焼」を食べる事が多く市内には多くの「どじょう屋」があったらしいが、最近では4~5軒に減ったようだ。それでも金沢の人はどじょうをよく食べる。とつい最近車の中で地元の民放でそんな話を聞いた。

 そんな訳で買ってみたが10串で900円であった。そんなに量はない国産の「うなぎ」は倍の1800円も出せばかなり大きなうまいものがある。量や味から言ってもうなぎに軍配が上がるが何故「どじょう」なのか私には?である。

 子供のころは小学校の裏のたんぼの小川でよく「どじょう」取りをしたものであるが食べるという事は無かった。親戚が山代温泉にあるので近所の友だちと電車に乗って山代まで行き親戚のたんぼや農園の小川でどじょうを一杯取ったが帰りの電車の中で入れ物を開けてしまい電車の床にばら撒いてあわててかき集め、電車のお客に笑われてしまったこともあった(当時の山代温泉はまだたんぼや農園もあったが現在は旅館や住宅に変わっている)。小学校の高学年になると農薬の影響でどじょうもイナゴもいなくなっていた。