MCCB、ヒューズの短絡遮断の電圧・電流波形


 2010年4月29日に、「MCCB短絡遮断の電圧・電流波形」を載せたが今回はそれも含め丸勝工業のガラス管ヒューズ250V・10A(遮断電流10kA)と富士電機の栓形ヒューズ600V・10A(遮断電流100kA)を同じ条件で遮断してその電圧・電流波形を取ってみた。  

 見た目で判るが、遮断の遅いものから、MCCB→ガラス管ヒューズ→栓形ヒューズとなる。また、見た目の遮断時間はMCCBは9.0msec、ガラス管は3.2msec、栓形は2.4msecである(厳密にはもう少しかかっているが見た目では判別できない。測定器の数値記録で判る)。     
     
 ヒューズは一旦切れればおしまいで取替が必要であるが、MCCBは遮断電流の大きさにもよるが再使用ができるのが利点。     
     
 ヒューズはMCCBよりも早く切れるので導体(銅帯、電線)の熱的なダメージは少なく、かつ、導体の支持物にかかる電磁力も少ない。こんなことからヒューズは限流作用があるとしている。     
     
 細かく書いていくときりがないのでMCCBとヒューズの遮断時間の違いや電流値の違いなどを理解いただければ幸いです。     
     
 参考:高圧の真空遮断器(VCB)は短絡事故時、過電流継電器(OCR)の瞬時要素の動     
    作時間50msecとVCBの遮断時間3サイクル(60Hz 3/60、50Hz 3/50で50~60msec)     
    の合計の100~110msec程度が遮断時間となる。そんな訳で電力会社の配電線か     
    らのVCBでの受電(CB形)は38sqの電線が最低太さとなるが、電力ヒューズを使っ     
    たLBS受電(PF・S形)ではヒューズの限流作用が期待できるので14sqの電線が     
    最低太さである。