昔々に習った教科書では定格電圧に対して電圧が上下すると白熱電球の電流、電力、光束、効率、寿命は下表のような電圧特性指数 n の値になると習った(一応(^◇^))。(照明のデータブックから)
電球 | 電流 | 電力 | 光束 | 効率 | 寿命 |
---|---|---|---|---|---|
ガス入電球 | 0.54 | 1.54 | 3.38 | 1.84 | -13.1 |
真空電球 | 0.58 | 1.58 | 3.51 | 1.93 | -13.5 |
概算値 | 0.6 | 1.6 | 3.6 | 2 | -14 |
たとえば、表の中で概算値の寿命の特性式はkVのマイナス14乗となる。つまり、電圧が高くなれば極端に寿命は短くなり、低くなれば極端に延びる事になる。kは係数、Vは電圧。
我が家で白熱電球を使っている所はポーチとトイレと風呂の脱衣場だけである。私が勤務しているところは100%近く蛍光灯である。ここ10年ぐらい前から照明ではないが工業製品の表示灯→電源表示灯、運転表示灯、故障表示灯→パイロットランプ、シグナルランプは白熱灯からLED(発光ダイオード)に代わっている。
LEDは発熱が少ないことや長寿命が売りである。白熱灯で1,000~3,000時間、蛍光灯で10,000~15,000時間→最近はさらに長寿命製品もあるようだ。LEDについてはメーカーによって違うが50,000~80,000時間ぐらいで照度が半分になるとして、これを一応の寿命としている。私が経験しているのは現在62,000時間(7年経過)で、初期より照度は落ちているが実用上問題なし。
ところがである、勤務先には消防法による1種耐熱分電盤が多数設置されているがこれの電源、運転表示灯は現在規格的に、白熱灯(AC100V)しか使用できない。2種耐熱分電盤はLEDの使用はOKである。この白熱灯(電源表示灯)がしょっちゅう切れて弱っている。寿命がせいぜい3,000時間なので半年も持たない(1年は8,760時間)。
このような事から、このAC100Vの電球(口金E12)をAC200Vに替えているがはやりあまり持たない。計算上は電圧が半分になるので寿命は16,384倍に伸びることになり、私の寿命が来てもまだ頑張っている事になる。が、一年一寸で切れてしまう。どうなっているの?
そんな訳でこの目で確認するため長期の点灯試験を実施する事にした。結果は追々載せます。
追記1・2007年2月1日
AC200Vの電球は2006年12月12日に1個切れ、2007年1月11日に1個切れた。3,504時間と4,248時間で切れたことになる。
上表は電圧を定格電圧の80~120%にした場合の寿命の倍数をあらわす。電圧特性指数nは概算値のマイナス14乗で計算した。
写真は、明るいほうが200V定格のものに200Vを印加した状態、暗いほうは200V定格のものに半分の100Vを印加した状態。半分にした場合、計算上は16,384倍に寿命が延びるはずだが現実は???である。