先日ある雑誌を見ていたら、UHV (Ultra High Voltage) 送変電技術と国際標準化という記事があった。
2010.1.31の電気あれこれNo.99に「標準電圧」の国内規格 JEC-0222-2002 を載せたが国際的にみると国内最高電圧の550kVを超えた800kV、1100kV、1200kVが2009年にIEC規格のTC8「標準電圧」として決められたようである。
現在もそうであるが日本は世界への意見の発信、浸透が不十分であり、国際的な交渉事では常に遅れを取っているのが現実だが、今回の標準電圧については現行国内規格の倍の電圧を日本が推進する「標準電圧1100kV」として国際規格に反映すべく関係各方面に強力に働きかけた結果、実現できたと記されていた。
何事も東京一極集中と言われているが電力もまた同じで昔は発電設備は私の地元の北陸電力1に対し東京電力は10であったが、現在はさらに首都圏の電力需要が高まっているのでその差はさらに広がっている。
1100kV送電線は、新潟県から山梨県までの南北ルートと福島県から群馬県の東西ルートの二つのルートが建設され、このルートは群馬県で繋がっている。二つのルートの全長は450kmにおよび現在は550kVで運転されているが2010年代の後半には1100kVの送電が実現するとあった。
東京電力の1100kV新榛名変電所では3000MVA変圧器ほか各種の実証試験が行われたり大手電機メーカの試験場では1100kV遮断器その他の試験も行われているようである。
中国では日本が開発してきたUHV技術をベースに2009年1月に1100kVパイロットプロジェクトの商用運転も開始された。他には電力消費地である東海岸へ内陸部で発電した大量の電気を送る為、800kVの直流送電の建設が進められているようである。
北陸電力の550kV中能登変電所を見学した事があるがでかいなぁ~思った機器がさらにでかいものになっているので生きているうちに機会があれば1100kV変電所を見学したいものである。
これをUPした後、「私の同期の石川県加南方面の方言丸出し男」の友人から下記のメールがあったので本人の了解を得て載せます。
> 東電の経営計画を見ると、電源開発計画と需要予測は
> つぎの通りや。
> 22年 31年 増加量
> 電源開発 6132万kW 6702万kW 570万kW
> 需要予測 5655万kW 6150万kW 495万kW
>
> UHVでねえ550kV運用の系統で、過去に6400万kW
> の需要でも安定に運用していた実績があるがで、需要の伸び
> がこのトレンドで行くとしっと、41年ごろで66~6700万kW
> ぐらいやさかい、UHVでのうてもなあ~もどんねえやろ。
> ただ需要の伸びが、えまと一緒のトレンドと仮定したし、もう一つ
> 東電の発電所は東側に偏っており古いさかい、最新鋭の設備
> に変えとるもんで、ピーク時にえま以上の高運転状況になる
> こともあるやろし、東側発電力が過去最高の6400万kWの時
>より上回ることもあるがでねえけ。それと東北電力の巻原発が
>ポシャッしもたもんで、そん こと考えると、UHV昇圧はちょっこし
>前倒しになるかもしれんんな。
>とはゆうても、炭素税の導入が噂されとるし、人口減少がある
>もんで、東電が予想しとるほど需要が伸びんがんなっしもて、
>ひょっとしっとUHV昇圧はねえがでねえけ