IV (600Vビニル絶縁電線)の最高許容温度は60℃で、許容電流は周囲温度30℃、温度上昇30K(30℃)で下表の様になっている。いまでは古い建築物でしか見られないが、いわゆる「がいし引き工事」の許容電流値でこの電流値が許容電流補正係数、電流減少係数その他の基準となっている。
周囲温度を30℃を基準とした理由は、わが国では気温が30℃を超える場合は1年間を通じてわずかであり、かつ、最大電流の時刻と気温の最高時とが重なる事は短時間であり、実用上問題となるような事がないと考えたからである。と、なっている。
上記の解説は、以前の、「電気工作物規程」から、現行の「電気設備の技術基準」の解説まで連綿と受け継がれてきており、地球温暖化?その他の影響で夏期の気温が異常に高く、ここ20年程の高温推移があっても、今、世間を騒がせている「原子力安全・保安院」は一向に腰を上げようとしない。
「わが国では気温が30℃を超える場合は1年間を通じてわずかであり、かつ、最大電流の時刻と気温の最高時とが重なる事は短時間であり」←現状は・・・
絶縁物の材料である塩化ビニルの耐熱温度は60~80℃となっており、IVは最高許容温度60℃、HIV(600V二種ビニル絶縁電線)は最高許容温度75℃となっている。
1.各電線メーカーがIVにどの程度の耐熱性があるものを使っているのか不明であるが高めのものを使っていれば現状でも問題はない。素人考えで有るが何十年も経てば多少なりとも耐熱性能は向上しているはずだが・・・
WEBで拾った絶縁物の耐熱温度
2.許容電流の90%の使用であれば温度上昇は電流の1.7乗になるので25Kとなり電線温度は30+25で55℃、80%の使用であれば20.5Kとなり30+20.5で50.5℃となる。
1と2でなんとかボロを出さずに済んでいるのが現状かと思うが如何?