遮断容量・遮断電流


 一般的に容量と言えばVA、kVA、MVA、電流と言えばA、kAがよく使われている。開閉装置で短絡電流を遮断できるものを遮断器と呼び、単に負荷電流の開閉のみ出来るものを開閉器と呼んでいる。また電路の区分の為の開閉能力の無い断路器もある。遮断器は高圧では高圧交流遮断器{現在は真空遮断器 (VCB) が多く使われている}、低圧では配線用遮断器(MCCB)、漏電遮断器(ELCB)などがある。  
  
 昔は、交流遮断器は系統の短絡容量に対比して遮断容量と言う事で50MVA、100MVA、150MVAと言う表示であったが1970年ごろから保護協調がやかましく言われ始め遮断電流表示でないと好ましくないと言う事で、  

 その時に遮断容量 RCから遮断電流 ICに替わったが記号(略号)はRCを使ったり、ICを使ったり各社マチマチであった。ところがと言っても1996年であるが配線用遮断器のJIS C8370はIEC規格と整合し、再び遮断電流が遮断容量に呼称変更になった(単位はA)。

          
 遮断容量 : Rupturing Capacity     Breaking Capacity     Interrupting Capacity          
          
 遮断電流:Interrupting Current     Breaking Current          
          
 電力会社の高圧配電線から供給を受ける場合は99.99%遮断容量が12.5kAあればおつりがくる。しかし、特別高圧需要家の高圧側(3.3kVと6.6kVあり)は12.5kAでは不可の場合がある。          
          
 現行は12.5→16→20→25→31.5→40kAの遮断容量があり設備の状況により遮断容量を選定することになる。          
          
 そんな訳で負荷の設備容量は小さいが短絡時の短絡容量(短絡電流)が大きい場合はそれに見合った遮断容量、短時間許容電流のある機器や導体を選定する事になる。