200V~400V級防災発電機回路の接地


防災用の発電機はデーゼル発電機がほとんどだがガスタービン発電機もある。最近は地球の気候変動から自然災害も多く発生しその規模も大きい。それに合わせて発電機も燃料設備を増強し3~10日間程度連続運転できるものが増えてきた。巨大地震そのものや津波や豪雨で発電設備が破壊されればアウトであるが・・・

 

高圧の発電機もあるが、ここでは低圧200V~400V級の3φ発電機について書いている。高圧から変圧器を介して低圧に降圧するものの2次側電路はB種接地が必要である。しかし、ここに書いている発電機は高圧が関係ないので電技に定められたB種接地は不要である。

 

しかし、電技では低圧は対地電圧を300V以下にする必要(電灯は150V以下)がある。3φ200V級発電機は接地が無い非接地なので電路相互間の電圧(200V級)が対地電圧となり、300V以下はクリアできる。発電機メーカーのオプションで下図のように中性点からの接地端子出しもあるようだ。この場合は200V級 ÷ √3で300V以下となるので問題なくクリアできる。

 

一方、400V級の発電機では発電機の中性点を接地しないと対地電圧が400V級となるので、300Vを超過してダメという事になる。中性点を接地すれば400V級 ÷ √3で300V以下となるのでOKとなる。

 

かつ、電技から、400V級回路は地絡保護が必要なので中性線にZCTを入れLGR,ELRで地絡保護を行っている。LGR,ELRが動作すれば発電機MCCBのシャントコイルに電圧を印加してトリップさせるなどをしている。

 

中性点は抵抗接地なので、B種接地の様な変圧器容量によって接地線サイズも変わることがなく5.5sqの太さがあれば十分である。完全地絡電流は1A以下に抑えているようだ。以前から気になっていたので発電機設備を見たり発電機メーカー代理店さんに話を訊いてまとめてみた。