変圧器のV結線は最近では電力会社の高圧配電線ぐらいしか見られないかと思う。工場や大型商業施設などの高圧需要家のキュービクル式高圧受電設備は以前から三相、単相と個別に変圧器を設けている。小容量の商店やコンビニなどは、以前は異容量V結線として電灯、動力を取っていたが今では「灯動共用変圧器」を使用して省スペースを実現している。
自宅付近の高圧配電線の単相変圧器容量の最大は100kVA、V結線されているのは50kVA-30kVAとか30kVA-10kVAなど50kVA以下の異容量変圧器 (100kVA-20kVA等もたまにある)の組み合わせがほとんどである。以前、県内の幹線道路脇のポンプ場では大半が動力負荷なので50kVA-50kVAの
同容量V結線を見たことがあり、これは3φ3Wと1φ3Wを取り出している。現在もそのままである。
キュービクル式高圧受電設備には変圧器とはちょっと違うが小容量の計器用変圧器 (文字記号はVTで15VA、50VA、100VA等)がありこれもV結線されている。VT2次側は P1 P2 P3 と表示されているものが多い 。但し、これから三相電源を取るわけではなく、電力量計、電力計、力率計等の電圧回路電源として
P1-P2 P2-P3として取る。P2は計器内部で接続されているので計器の端子(台)としてはP1 P2 P3となる。P1-P3間には負荷は接続されていない。電流回路は変流器(文字記号はCTで電流値は5/5A~6000/5A程度までで、負担は5VA、10VA、15VA、25VA、40VAがある)から取る。CT2次側はC1 C2 C3と表示されているものが多い、計器には1S-1L、3S-3L(+C1-C1、+C3-C3などもある)などの表示がある。
下記は2006年にある資料に書いたものである。(追記もある) 当時は既に計器用変成器の文字記号はPTからVTに変更されていたが電力量計のJISがのPTで記載されている。何でかと思いJIS規格の事務局である工業技術院標準部に確認の電話を入れたが改訂されていないのでそのままです。次回の改訂時に直しますと言う事であった。