低圧-低圧トランスの励磁突入電流を測る機会があった。高圧については三相では定格電流の10倍が0.1秒、単相では15倍が0.1秒流れるものとして励磁突入電流で電力ヒューズが枯れない定格(短時間許容電流)のものを選ぶとか、過電流継電器(OCR)では瞬時要素が動作しないような電流値に設定していた(最近のカタログでは三相も単相も10倍、0.1秒にしているようだ)。
低圧については経験上、定格電流の2倍程度の配線用遮断器(MCCB)を選んでおけば電源入りで遮断器がミストリップする事はないと思っている。が、今回定格電流近くの60Aで30回程度やってみたが「マ-フイ-の法則」よろしく一回もミストリップは無く残念であった(^・^)。
励磁突入電流はトランスの絶縁方式(油入、乾式、モ-ルド)、印加電圧、投入位相、トランス鉄心の残留磁束の大小、背後電力の大小、トランスの構造などによって大きくかわる。同一のトランスでも10回投入し投入波形を見ても10回とも大きく変わり同じものはない。
下の一例はこの場合の励磁突入電流の大きなものを載せてある。
1.低圧-低圧スコットトランス20kVAの励磁突入電流の一例 縦軸1目盛 上側:電流200A 下側:電圧200V