230V昇圧


 2006年4月1日の電気あれこれに「変えられない、変わらない」と言うタイトルの中に100Vの230Vへ、200Vの400Vへの昇圧の件もちょっと載せた。今月届いたある電気雑誌にまたぞろ「配電電圧昇圧化」と言うタイトルの記事があった。

 副題は「新エネ導入CO2削減に貢献する意義」となっていた。記憶している限りでは少なくとも2000年以前からも叫ばれていたが一向に前進する気配はなかった。なす術もなくはや10年以上を経過した。

 私は、当時から絶対が付くほど実現不可能と思っていた。日本は短期的な事は得意だが長期的な事は不得意な国民であると思っている。聞くところによれば50と60Hzの統合の機運もあったようだ。約50年くらい前は同一地域でも50と60が混在していたがこれは順次解消されていった。しかし、全国的には静岡の富士川を境に西は60、東は50のままである。いま地球温暖化防止対策として電力会社の首脳(電気事業連合会)、日本電機工業会などの関係団体が国に強力に働きかけ、国の方針としてやらないと研究機関や団体が騒いでも一向に進展しないと思う。

 日本の常識は世界の非常識と言われて久しいがこれもその例に当てはまるかと思う。「昇圧化は電力損失の低減、供給容量拡大、電圧降下率改善などの利点があり、1950年代の欧州主要国、60~70年代にアジアを含めた諸外国が追随、2003年頃までに日本とアメリカを除いた世界の大半が20~30年の移行期間を要して完了している」とその雑誌には記されている(アメリカは120/240V、277/480V、120/208Vなど)。

 一時しのぎの効果もあやうい定額給付金よりも効果が持続するこの方面に投資をしたら如何なものか思う