断路器(DS)の生切り


「断路器(DS・Disconnecting Switch)の生切り」と「CTの2次開放」は「やってはいけない」電気屋の常識である。CTの2次開放についてはNo.47と115に記載したので今回は断路器の「生切り」についてのお話。  
  
 下の写真は7.2kVの断路器、負荷開閉器、真空遮断器である。みれば判るように断路器はアークを消すようなものは一切ない。負荷開閉器は名前の通り負荷を開閉出来るのでアークを消す消弧室と速断機能がある。真空遮断器は内部は見えないが遮断器としての機能を持っている。  
  
 アークを消す機能のない断路器を通電中に切ると通電電流の大小にもよるがアークが出て相間短絡、地絡と発展するほかアークが断路器の操作者の顔面に当り、感電や火傷を負い運が悪ければ死に至ることになる。電気屋を50年近くやっているので「生切り」の事例は何回となく見聞きしている。無傷であったり火傷を負ったが死をまぬかれたケースだけなのが不幸中の幸いである。  
  
 もちろんアーク熱により断路器、導体(銅帯、電線)、付近の機器、構造物も熔けたり、ススで真っ黒になり、開放式の電気室であれば組み直し、キュービクル式であれば程度にもよるが交換又は改修となる。