なんで北陸電力には66kVと77kVがあるの?


 特別高圧需要家の受電電圧を各電力会社の電気料金の項で調べてみたら下表のようになる。ここで注目したいのが北陸電力の66kVと77kVである。JEC-0222-2002 よれば「一地域においては何れかの電圧のみを採用する」とある。たとえば、66kVと77kVがあればどちらかの電圧を選択せよとなっているが北陸電力は両方を使っている。  

 なぜだろうかなぁ~と言う事で地元の知り合いにこれを投げかけたが「梨の礫・なしのつぶて」である。そんな訳でネットで調べてみたら「北陸電力66/77kVの怪」と言う下記の記載があったのでこれがその理由と思った。      
      
北陸電力で謎だったのが、77kvと66kvが混在していること。福井県の某特高受電の工場へ行った時、77kv1回線受電と聞いて驚いた。北陸電力は66kvが標準電圧だと思っていたから。北陸電力の社史は20、30、40年と保有していますが、このあたりの経緯については記載がありません。      
      
66/77kvで1回線受電というのも、関電地域ではJRを除いては結構驚きだけど、北陸、中国、九州電力あたりではそこそこ見かける。九州なんぞは275kvの1回線もあったり、中国では110kvの1回線があった。下関の神戸製鋼で110kv1回線受電の地中ケーブルがパンクして操業停止になり、下関発      
電所から仮設送電線を建設して神戸製鋼に送電していたのを見た時はかなり圧巻であった。      
      
京都電燈については社史を保有しており、これを見てみると、

・敦賀及び福井市近辺は京都電燈の供給地域であった。      
・昭和4年に滋賀県の堅田から福井まで京福連絡線として77kv送電線を建設している。      
・大聖寺水電や矢作水力や福井での連携線も77kvで建設されている。      
      
で、今回北陸配電の社史を購入しましたところ、興味深いことが書かれていました。      
・北陸配電設立時に重複する送電設備を整理し電圧を統一化      
・富山は60及び20kv、石川は当初40kv→70kv、福井県は70及び30kv      
というところで北陸電力に引き継がれたのが元凶のようです。