変流器(CT)の過電流定数(OCC)


 先日、変流器(CT)の過電流定数(OCC)の違いによるCT2次電流値の違いを測定する機会があった。これまで定数がn>10とかn>3と言う意味合いは教科書通りと理解しウンウンと納得していた。

 測ってみると違いが目で見えるので今度は視覚で納得した。定格負担40VAのCTに1/10の4VAの負担(図1)と定格近くの36VAの負担(図2)をかけた場合の1次、2次電流値である。CTは10/5A、40VA、n>10と同じくn>3のものである。

 n>10とn>3のCTの1次を直列につなぎ2次側は各々4VA(OCRのみ)、36VA(OCR+1.25Ω)の負担をつないだ。高圧遮断器(現在はVCBが主)のOCRがCTトリップの場合は2次側の負担をCTの定格負担近くにしないと見掛け上のOCCが多くなり場合によってはOCRのb接点を損傷する事が判る。n>10のCTは図1の場合は156÷√2≒110Aを切る事になり、図2の場合は97.5÷√2≒70Aを切る事になる。(OCRはオムロンのK2CA-HVでこれは、100Aを2回遮断まで保証している。JIS規格は60A、100回まで)

 図1・CT2次に4VAの負担をかけ1次に308A(定格10Aの22倍弱・実効値218A程度)を流した場合。n>10もn>3も負担が小さいので比誤差も範囲内で2次電流の歪みもない。


 図2・CT2次に36VAの負担をかけ1次に195A(定格10Aの14倍弱・実効値138A程度)を流した場合。n>10は比誤差は範囲内で歪みも少ないがn>3は比誤差は範囲外で歪みも非常に大きい。