三相誘導電動機のY-Δ始動電流


  三相誘導電動機の始動電流は一般的には定格電流の5~7倍と言われている。今回、三相200V55kWのY-Δの始動電流を測る機会があったのでその一例を載せた。最大値は1,370Aであるが負荷が軽いので運転時163A(実効値116A)しか流れない。負荷電流に対しては1,370÷163≒8.4倍になるが220Vの定格電流178A(最大値251A)でみれば1,370÷251≒5.5倍となる。

 Y-Δ始動の場合Y運転完了からΔ運転に入る際、Yの電磁接触器は機械的には開路しているが電気的にはアークで繋がっている時間があるのでアークが消滅するまでにΔの電磁接触器が入れば短絡となる。この短絡を回避するためY-Δタイマは0.05~0.5秒程度の切替時間(デッドタイム)をもっている。オムロンのこのタイマは0.05-0.1-0.25-0.5秒の時限を持っており今回は0.1秒に設定されていた。

 公称は0.1秒であるが実際にはアーク時間があるので0.085秒の切替時間となり短絡を逃げている。

 写真下・三相誘導電動機のY-Δ始動電流の例

写真下・Y運転完了からΔ運転に入るまでの切替時間(デットタイム)の詳細