電力会社によるB種接地抵抗値の考え方


高圧(特高)需要家は電技(電気設備の技術基準)によってB種接地工事の「接地抵抗値 Ω」が決められており、その内容は下記である。

 

  a.基本:150 ÷ 1線地絡電流(A)のΩ数以下。但し、5Ω未満であることを要しない。

  b.対地電圧が150Vを超えた時、1~2秒で、高圧、特高(33kV受電以下)電路を遮断する場合は、

      300 ÷ 1線地絡電流(A)のΩ数以下

  c.対地電圧が150Vを超えた時、1秒以下で、高圧、特高(33kV受電以下)電路を遮断する場合は、

      600 ÷ 1線地絡電流(A)のΩ数以下

                                        となっている。

 

5Ω未満であることを要しないという事は、150V ÷ 5Ω = 30A 地絡電流は最大でも30A以下という事が出来るが・・・

聞くところによると「北陸電力の石川県内」の高圧1線地絡電流の最大値は金沢市内中心部で10Aの様であるらしい。

 

b、cの緩和規定があるが、引込第1柱又は高圧ケーブル引込点に設けられる区分開閉器(PAS,UGS等)の地絡における遮断(開閉)時間は全国的に例外を除き1秒以下のものが100%である。私の勤めていたところのPASも1秒以下で、1線地絡電流は4Aである。

 

各電力会社から高圧需要家に提出される遮断(短絡)容量計算書に1線地絡電流やB種接地抵抗値についても記載があるが、

 

北陸電力:1線地絡電流値4Aが記載されているが、「接地抵抗値」については貴社で考えてくださいと言う

     姿勢かも。

中部電力:1線地絡電流は記載されていないが「B種接地抵抗許容値」27Ωと記載されている。

      地絡電流は 150 ÷ 27 ≒ 5.56A という事も出来るが・・・名古屋市内の中心部なので緩和規定

     c 適用で600 ÷ 27 ≒ 22.2Aかも 確認したところ22Aであった。

北陸電力(私の勤めていたところ)、中部電力(勤めていたところの出先)の資料から

 

関西電力:1線地絡電流 8A 「B種接地抵抗値」75Ω *但し、10~40Ωを推奨します。となっている。

     緩和規定 c の 600 ÷ 1線地絡電流(A)のΩ数以下 を適用しているものと思われる。が、関西電力

     としては安全サイドになる抵抗値を推奨(希望)しているようだ。

     関西電力管内の電設業者より見せてもらった資料による。

 

「B種接地抵抗値」の考え方も電力会社によって色々である。