有峰ダム


 先日、北陸電力の有峰ダム(富山県)を見学する機会があった。これまでダムは外からのみしか見たことが無く中はどのようになっているのか見た事がなかった。有峰ダムも含めた常願寺川水系の総発電出力は約82万kWである。

 ダムの上から20人乗り位のエレベーターに乗ってコンクリートの中を80m程度下がり巡視用トンネルをくぐって外に出た。上まで約80m、下まで約60mの地点である。エレベータを降りたところに温度観測装置があり8.6℃(下界は30℃くらい)と表示されていた。風がないのでさほど寒く感じなかった。

 トンネル内には漏水管が何本もありそこからちょろちょろと漏水があり溝に流れている。ダムの外部は見た目には水は漏れていないが内部では漏れている。「蟻の穴から堤も崩れる」と言う諺があるがやはり漏れているようである。これも漏水量観測装置によって常時観測されている。地震観測装置、変位(ダムの傾き)観測装置なども設置されており、上下の変位は20mmまでは許容されているようだ。温度、漏水も含めたそれらは小見発電管理所制御室で遠隔監視されている。

 ダムの外壁には多数の岩燕(山燕)が巣を作っていた。ダム上部の放流ゲートは昭和44年の大雨のときに1回放流されたがそれ以降はないとの事であった。ただし、水を全部せき止めててはまずいので別に水路を設けて少量のみ常時放流している。エレベータも毎日、遠隔操作で上下させ異常がないかをチェックしているようだ。その他ダムの管理事務所も無人で遠隔管理されている。最高降雪は4.5mで事務所の2階から3階にかけて梯子が設置されている。冬季はダムのさらに上部のヘリポートからトンネルを経由して管理事務所に入れるようになっているとの事であった。

 詳しくは下記を覗いて見てください。

「有峰ダム」

 写真・ダムの上より80m下がった所から上を見上げる(中央部分は放流ゲート)