不平等・平等目盛


先日こんな話をきいた。電流計のフルスケール(100%)の0~20%の指示値はどれだけであるかの判らないのでこれを読めるようにする方法が無いだろうかというものであった。多分、可動鉄片形の交流電流計を使っていてそんな事を考えたのではないかと思う。  
  
 一般的な個別負荷であれば電圧も100,200,400,3,000,6,000V等で電流もほぼ決まっているのでそれに見合った電圧計、電流計が選定されていると思う。特に電圧計は電圧が100Vであればそれの150%にあたる150V計を選定しているのが普通で6,000Vであれば9,000/150Vの150V(VTは6,600/110Vを使用)の電圧計を使用している。  
  
 100Vに対し150Vであるので電圧計の指示は目盛の最大を100%とすれば100/150で67%付近を常時指示しているので0~20%付近の目盛が無くても実用上問題はない。  
  
 電圧計は一般的に600V迄は電圧を直接電圧計に入れる事が出来るが、現実は300Vまでがほとんんど100%で300Vを超えるものは440/110 3,300/110V 6,600/110VなどのVTを使用して計器定格を150Vとしている。国内の一般的な動力(3φ200V)は300V計器を使用している。  
  
 電流計の場合は個別負荷であっても負荷設備の状況により軽負荷~全負荷~過負荷まである。過負荷は別にして軽負荷の場合、或いはポンプの空転であれば電流計は20%以下になる事もある。他には受電側(大元)の電流値は朝~昼~晩によって大きく変わるのでこの場合も電流計の指示は20%以下になることもある。  
  
 高圧~特別高圧の場合の電流測定はすべて○○/5Aの変流器(CT)を使っているので電流計も○○/5Aの5A定格の計器でよい。  
  
 低圧の場合は一般的に30A迄は直接電流計に入れる事が出来るがドア配線(2sq)の許容電流の関係上15A以下にしている事が多い。昔は300A程度迄は直接入れるものもあっ  
た。  
  
 話は長くなってしまったが0~20%までを読みたい場合は下の写真のように電流計を可動鉄片形から整流形に替えてやればよい。150/5AのCTを使ったもの  

 ほかには可動鉄片形の0.5A、1A、2Aの計器があればそれを直列に入れ通常は短絡しておき、主の電流計の指示値を見て開放して値を読むと言うことも出来るが整流形に取替たほうが手っ取り早い。   
   
 いずれにしても計器の誤差(写真のものは1.5級)とCTの誤差(普通は1.0級を使用)を頭に入れて指示値を読む必要がある。   
   
 他にはデジタルの電子式のマルチメータに替えると言う手もある。   

 左の写真のマルチメーターは1φ2W 100V回路に10/5AのCTを入れて電流・電圧・電力を 
測定している例。 
 
 このマルチメーターを使えば0.1%からの電流値が読める。 
 
 写真下のフタをまくればスイッチがあるので力率、無効電力、電力量、無効電力量、周波数も読める。 
 
 最近の各社のマルチメーター はさらに進化している。 
 
 直流用はトランスデユーサを使い1~5V、4~20mAなどの入力信号で3回路まで表示できるものもあるようだ。