エコ電線


  仕事で使っている600Vビニル電線(IV)の絶縁材料である塩化ビニルのダイオキシン類の発生問題から国交省の指導(仕様)で段々と自治体その他でもエコ電線(EM-IE/F)の使用が増えてきている。また、ダイオキシン類の毒性(発がん性等)については諸説がある。

 出始めの頃(1998年から市場にでた)のエコ電線は硬くて作業性も悪く、かつ、ワイヤーストリッパーによる被覆の剥がし(皮むき)もパッとしなかったが、最近では改善された事や慣れもあるがそれでも硬い。性能には影響がないと電線メーカは言うが物にすれるとその部分が白くなると言う「白化現象」がある。以前にクレームを付けたらこれも最近改善しましたと言っている。が、まだその電線は使っていない。

 他にエコ電線は紫外線(太陽光、蛍光灯)にも弱く、「ひび割れ現象」が起きるので露出した場所や蛍光灯の光が当たる場所での使用には注意が必要である。IVは耐熱温度は60℃であるが、エコ電線は75℃となっていて許容電流もIVに比べ1.22倍となっている。しかし、ここに落とし穴がある。それはIVに比べ過熱変形の度合いが大きいと言う事であり被覆温度が90度を超えると極端に変形の度合いが大きくなり被覆がロウソクのように溶け出し結束紐(インシュロック)で縛ってある所などはその影響が大きい。そんな訳で過負荷や短絡して配線用遮断器が遮断するまでの時間(保護協調)によっては電線被覆を損傷する事になる。或いは周囲温度の選定ミスでも同様の事が起きる。

 そんな訳で私の所ではエコ電線の耐熱温度を75℃から60℃に落として使っている。これも最近、電線メーカーからIVと同等以下に改善したと言っているが使う前に検証の必要がある。

 ダイオキシン類は下記を覗いて見てください。

「ダイオキシン類」

 エコ電線は下記を覗いて見てください。

「エコ電線」

 写真・私の所で使っているエコ電線