誘導電動機の始動方法による始動電流の違い


 先日クローズドトランジション式Y-Δ回路の電流を測定する機会があった。ついでと言う事で直入始動、普通のY-Δ始動の始動電流も取って見た。私がこの方式を知ったのは消防法がやかましく言われ始めた30年以上も前のことである。

 消防法の関係で消火栓ポンプや排煙ファンを発電機電源で運転する場合、切替時の突入電流による発電機容量UPの低減を計る為に使用されている。ただ、この方式は使用頻度が低いのであまり知られていないようである。5.5kWと言う小容量ではその効果も薄いが傾向(参考)として見ていただければ幸いである。機器の選定については省略します。  誘導電動機は3相200V、5.5kW、4Pで負荷は何れも排風機

図1・クローズドトランジション式Y-Δ回路図(直入は52のみ、普通のY-ΔはRと42Rが無い)


図2・直入始動の始動電流の一例

図3・普通のY-Δ始動の始動電流の一例、昔は52の無い2コンタクタ(6、42)方式が多かったが停止時も充電(架電)されているので吸湿などよる絶縁不良で電動機をダメにする事が多くあったので現在は3コンタクタ方式が普通になっている。

図4・クローズドトランジション式Y-Δ始動の始動電流の一例、見て判るように切替時の突入電流も少なく3つの方式の内で一番なめらかに運転に入っている。