加能ガニ(かのうガニ)


 ズワイガニの別称として、山陰地方(島根県・鳥取県・兵庫県・京都府の日本海側) では松葉ガニ、福井県では越前ガニと呼んでいる。先日のローカル紙に石川県内(加賀・能登)の27漁協と県漁連が9月1日に合併し県漁協が発足したのを記念して今後、「加能ガニ(かのうガニ)」と名づけて全国ブランドに育てたいとしている。と、載っていた。

 「かが・のと」と言う言葉は良く聞くが、加賀、能登をまとめて加能という呼び方はほとんどと言って良いくらい私は聞いたことはない。広辞苑で調べてみたが、加能は「姓氏(かばね、うじ)の一」としか載っていない。加賀と能登の漁協の中をとって加能としたものと思うがどうもピンとこない。おとなり富山県には加越能バス?と言うバス会社があるようだが。

 カニ初売りの11月7日のローカル局のTVニュースでもこれを取り上げていたが、加能ガニ?「わしゃしらん、なんやいね」とか「ズワイガニでいいがでないが」や、近江町市場のアンちゃんまで「加能ガニって書いたら、なんやいねって言われるさけ、わしゃかかなんだ」と言っていた。どうせするならピンとくる「かが・のとガニ」でいいがでないと私は思うが如何。

 「金沢の甘エビ」なんて言う表現もあるが全国各地で取れたものを金沢に持ってくると高く売れると言うだけだ、という話も聞いた。わりかし有名な加賀の旅館でも「なんじゃこりゃ」と言うような白うなった甘えびらしからぬ物を平気で出すところもある。子供の頃によく食った橋立(橋立漁港)の浜から持ってきたズワイガニや子持ちガニ(こうばこガニ)の塩茹でのまんまとか、甘エビの頭をとってすぐ食べた味が本当のカニや甘エビだ。昨年、輪島漁協だったかと思うがカニの足に輪島漁協のしるしを付けたものを貰ったが何じゃこりゃと言うような味であった。そんなやさけくれたんかも?