直流電流計のシャント(分流器)


扱う電気の99.99%以上は交流(AC)であるが、たまに0.01%以下の直流(DC)を扱う事がある。この時の直流電流計用のシャント(分流器)はせいぜい400A止まりである。

上の写真はシャント(分流器)1A(100mV), 30A(100mV), 50A(100mV), 150A(60mV), 400A(60mV)である。

 

下の左図はシャントを- 側に、右図は+ 側にシャントを入れた場合である。この場合直流電流計に接続するプラス、マイナスの位置が変わるので注意がいる。

シャント(分流器)は定格電流の70~80%以下で使う事になっているが、400Aで60mVであれば400×0.8×0.06 = 19.2 Wとなる。100mVであれば32Wとなる。5,000Aで60mVであれば5,000×0.8×0.06 = 240Wとなる。そんな訳で取付は放熱を考えないとトラブルの元になる。

 

横河や日置には50mVのものもあるが10mVのものを作ればシャントの発熱を抑えら、かつ、記録計への入力にも便利だと思われるが寸法(形状)や製作コストとの関係で作らないのかも?。

 

昔、大阪にいた頃、電電公社(現NTT)の電話局の蓄電池室を見せてもらったことがあるが、通信用DC48V幹線に使用の銅帯は12×200位の大きなものであったと記憶している。が、シャントがどのようについていたかまで残念ながら見ていない。このDC48Vを局内の非常照明にも利用していた。(いる)

 

シャントと直流電流計の間を接続する電線も抵抗値が判らないと電流計の指示値が変わるのでメーカーでは標準的な電線サイズ1.25sq、長さ 1.5m等が用意されている。シャントと電流計迄の距離が未定の場合はリード線調整抵抗器付電流計を選定して現場で調整する。距離が決まっている場合は電線種類(記号)、サイズと片道の長さ、または、往復抵抗値をメーカーに指示すればよい。