過大な進相コンデンサ


内線規程が先か各電力会社の電気供給約款が先かは判らないが低圧電動機用の進相 コンデンサの容量は50/60Hzの別で55kWまで決められている。この容量のものを設置すれば力率を90%とみなすとなっている(現実は90%を超えているものが多いが)。     
     
こんな事はしないと思うがこのコンデンサの容量を過大にし、運転から停止にした場合の 電圧、電流の変化をみた。電動機は3相200V5.5kW、負荷は排風機、周波数は60Hz     
     
 1.進相コンデンサをつけない場合     
   発電作用で停止にしてもしばらくの間は電圧を発生する。  

2.60Hz 5.5kWの基準の75μFの進相コンデンサを付けた場合

        電圧の発生とともにコンデンサ、電動機に電流が流れるが問題になる事はない。

3.過大な500μFの進相コンデンサを付けた場合        
  電圧の発生とともに電圧も電流も定格を超える。繰り返しこのような事を行うと電動機巻線の焼損、コンデ    

  ンサの絶縁破壊が起こり得る。

4.回路図  
   ・100μFは50Hz用  
   ・75μFは60Hz用  

5.電動機の自己励磁現象    
 左図の52の上側に電磁接触器を設け進相コンデンサ専用とする場合は問題は起きないが、左図のように電動機とコンデンサの開閉を共用にする場合、電動機の励磁容量よりも大きなコンデンサを使用すると52を切りにした場合、電動機の自己励磁現象により電動機端子電圧が上がり電動機の焼損やコン デンサの絶縁破壊が起こり得る。    
    
 下図のようにコンデンサの定格電流が電動機の励磁電流よりも大きい場合、52を切りにすると電動機は自己励磁し、電動機とコンデンサの電流が一致する点まで電圧が上昇する。